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地域づくりブログ

地域を愛し、誇りを持って働き、暮らし、輝いている地域人(ちいきびと)の物語を紡ぎたい。

料理から暮らしを見直す「高鍋食の文化祭」

 森の新聞社の森千鶴子さんのお誘いで、宮崎県高鍋町で開催された「食の文化祭」に参加してきました。食の文化祭は、「家庭料理大集合」とも言われていて、普段家庭で食べている料理を持ち寄って、それぞれの暮らしを語り合う取り組みです。森さんと私が一緒に関わっている大木町でも実施できないかと検討しているので、そのスタッフたちと一緒に行ってきました。

 高鍋町は宮崎県の中央にあり、人口は21千人と大木町(14千人)と比べるとやや大きな町です。天気がよかったので、高速道路から畑に組まれた櫓に大量の大根が並んでいる景色が目に入りました。このあたりでは干し大根が有名なのだそうです。大木町と同じく農業が盛んな土地柄なのだなと思いながら、街に入りました。

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丘からみた高鍋町の様子

 

 高鍋町の食の文化祭は、今回で7回目だそうです。当初は森さんを講師に招いて、勉強しながら実施したそうですが、今はフードランナーという食育に関心の高い保育士や管理栄養士など人たちが中心となった団体が実施しています。文化祭の前日にフードランナーの方々と親睦会をさせていただいたのですが、みなさんから料理を通じて食文化や暮らしの見直しをしたいという熱い思いを感じて、こうした熱心な方々と一緒に大木町でも食の文化祭を実現できればと思いました。

 食の文化祭の当日は、早朝からスタッフの方々と一緒に準備のお手伝いをさせていただきました。私たちの役割は受付のサポートです。参加者はレシピと料理を1〜2品持参されます。レシピの記入や料理の写真撮影も並行して行うので、どうしても混雑が生じます。料理とレシピがばらばらになると、後で資料として使えません。イベント準備と並行してデータ整理を行うのはなかなか大変でした。最終的には100皿以上の料理が集まり、追加のテーブルを出して対応するくらいの反響でした。 料理は試食前にすべて紹介するのが高鍋式。司会者がマイク片手に料理が並んだテーブルを回り、出品者の思いやこだわりを聞きてまわります。小学生の女の子が焼いた卵焼きをお父さんが燻製にしていたり、おじいちゃんと孫娘が鹿肉を使ったジビエ料理を出していたりとさまざまです。紹介を聞くたびに食べてみたい料理が増えていきました。

 

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卵焼きの説明をする子どもたち

 

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ジビエ料理を孫と一緒に説明してくれました

 

 1時間以上に及ぶ紹介を終えるとようやく試食会です。「いただきます」の直後、人が群がる料理があったので、何かと聞いてみたら、樫の実からつくった「かしコンニャク」でした。実をアク抜きしてデンプンにするまで1ヶ月もかかるため、つくり手がおらず、地元の人でもめったに食べられないそうです。昔の人の貴重なタンパク源だったそうで、非常に素朴な味でした。品評をしたり、コンテストを行うわけでもなく、ただ一緒に料理を囲みながら食事をするだけのシンプルな取り組みですが、キャベツ農家が加工品づくりに取り組んだり、いろんな交流や展開につながっているそうです。あまり意図を持ち込まずに、続けることが大切なのかなと思いました。残った料理もみんなタッパーに詰めて持ち帰るなど、エコロジーな取り組みでもありました。 今回、実際に裏方を手伝ったことで、受付や洗い場の確保、会場の広さなど、大木町で行う際の課題も具体的に見えてきました。何より複数のスタッフで共有できたことがありがたいことです。ぜひ大木町で一度実現したいと思います。 

 

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試食会の様子。人気の料理はすぐになくなってしまいました

 

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かしの実でつくった「かしこんにゃく」

「地域に必要とされるゲストハウス」開業合宿に参加しました

地域づくり 空家

◯みんなが輪になって語る車座スタイルの合宿

 2月3日から3日間、岡山県倉敷市で開催された「地域で必要とされるゲストハウス開業合宿」に参加しました。今回で17回目になる取り組みで、北海道、新潟、神奈川、大阪、広島、長崎など全国各地から11人が集まっていました。職業もビジネスホテルや旅館業の人から、IT系ビジネス、地域おこし協力隊とさまざまです。動機も10代のころからゲストハウスをしたくてたまらない人から、まちづくりのツールとしての可能性を探る人、やる気のモチベーションを上げたい人まで、実にさまざまでした。

 私は「地域に必要とされる」という言葉に引かれて参加しました。自分自身が関わる糸島市の岐志浜集落で、空き家をゲストハウスとして活用すれば、新しい活力を地域に生めるのではないかと思っていました。合宿で可能性が開ければ、実際に動きだしたい気持ちでした。

 合宿は美観地区から少し外れた場所にある一棟貸しのゲストハウス「バルビゾン」で行われました。メイン講師の中村さんはNPO法人アースキューブジャパンの代表で、全国のゲストハウスの開業や運営を支援されています。もともとは美観地区内にあるゲストハウス「有鄰庵」の創業者でもあります。みんなが輪になり、膝を突き合わせて話し合う車座(くるまざ)のスタイルで、3日間ぶっ通しでゲストハウスの講義や事業計画づくりなどを行いました。

 

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合宿会場の旅籠バルビゾン。ここに3日間缶詰

 

◯地域と一体となって営む「地域まるごと宿」の構想

 初日はゲストハウスの成り立ちなどについて、中村さんが話してくれました。近年ゲストハウスが増えており、バックパッカーズ宿やユースホステルなども参入しており、「ゲストハウス」という言葉が使い古されてイメージが変わってきていること、コンセプトをしっかり立てずに開業すると価格競争に陥ってしまうことなどを教えてもらいました。これから始めるのであれば、地域文化を伝えるカルチュラルハウスのような新たなコンセプトを生み出し、差別化を図る必要があるそうです。

 「地域に必要とされるゲストハウス」とは、ホテルのように宿泊から飲食サービスまで抱え込むのではなく、食事や買物などは地域のお店を利用してもらい、お互いに協力しあいながら地域が一体となって魅力を伝え、営んでいく「地域まるごと宿」というコンセプトにつながっていました。

◯尖った事業コンセプトに共感する人だけを集めるという発想

 今回の合宿で最初に学んだのは、ペルソナの設定の大切さです。マーケティングの基礎として必要性を知ってはいましたが、具体的に詳細まで設定したことはありませんでした。最初、女性のペルソナをイメージしたのですが、服装や家族構成、趣味などが浮かんできません。如何に自分が他人の感覚がわかっていないかを痛感しました。

 練習なので自分に近い男性のペルソナを設定したのですが、ゲストハウスにつながる導線をなかなか設定できません。やはりファミリー層とゲストハウスの接点は女性の方が多そうだと改めて気付かされました。

 初日には、ペルソナと合わせて事業のコンセプトも検討したのですが、中村さんからは、「10年後もやっているイメージをもつこと」、「疲れた宿にならないために本人が楽しめることが大事だ」ということを教わりました。自分が想定したペルソナと違った顧客がきた場合、自分が疲弊した経験が過去にあったので非常に納得しました。

 ゲストハウス事業で疲弊しないためには、自分の好みで事業コンセプトをとことん尖らせてよく、そのコンセプトに共感してくれた人だけが来てくれればよいという発想は衝撃的でした。旅館やビジネスホテルのように誰でも泊まれる汎用的な広がりではなく、突き抜けることでお客を開拓するという姿勢はハイリスクのようですが、長期的にみると安定しそうです。ただ、有鄰庵も開業当初は、一月のあいだに2人しかお客さんが来ず、家賃確保のためにラムネ売りをしたこともあったそうです。意味は理解はできるのですが、実践するには相当勇気のいる考え方だと思いました。

 

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車座の飲み会には全員参加

◯朝食の片付けから事業コンセプトを思いつく

 ペルソナの設定も事業コンセプトもまだまだ作り込みが足りないまま、車座での飲み会に突入しました。旅館のスリッパを使った世界卓球大会の話など、参加者がそれぞれの地域で行っている活動の話で盛り上がり、12時近くまで飲んだ後、有鄰庵に戻って再びペルソナと事業コンセプトづくりです。みんな熱心なので、自分からもう寝るとはいいにくい雰囲気でした。私自身は岐志浜集落をイメージして、漁師体験を核にした事業コンセプトをつくっていたのですが、なかなか来訪者と地域の接点をイメージできません。結局夜もほとんど眠れませんでした。

 朝、卵かけご飯をいただき、台所で器を洗っていたとき、スタッフの人たちと子どもの話題で話がはずみました。そのとき、ふと台所が来訪者と地元の接点になるのではないかと思いました。漁師のお母さんに魚の捌き方を習いながら談笑している姿が浮かびます。コンセプトが決まると後は早いもので、集落の中心にある空き家を台所とレセプションルームに仕立て、周囲にある空き家を一棟貸しのゲストハウスにするという計画ができました。まさに「地域まるごと宿」を具体化したアイディアでした。

 

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深夜の有鄰庵。日付が変わっても事業コンセプトとペルソナづくり

 

◯客単価からみえる事業規模

 2日目は事業コンセプトとペルソナを発表した後、資金調達や事業収支などの数字にまつわる講義です。阿蘇太宰府でゲストハウスを営む「阿蘇び心」のじゃけんさんが、実際の店舗開業時のデータを使って丁寧に説明してくれるのですが、前日の徹夜がたたり、なかなか数字が頭に入ってきません。余力を残しておかなかったことを後悔しながら、スタッフが最低2人いれば施設をまわせること、清掃が非常に重要であり2〜3時間の確保が必要なことを学びました。

事業収支も検討したのですが、後日見直してみると、客単価3,000円だと2人のスタッフで回すためには月300人の利用が必要になります。ゲストハウスの稼働率はよくて5割なのだそうで、このスキームを成り立たせるためには20人が泊まれる部屋が必要になることがわかります。小規模の家を使い、少人数で事業を成り立たせるには、体験交流など付加価値のあるプログラムを併せて提供することが必要だなと改めて感じた次第です。

 

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事業イメージを絵に描いて説明しているところ

◯ネットワークが自分の価値

 最終日の3日目は、再び様々な制約から離れ、「自分にしか提供できない価値は何か」を問われました。ゲストハウスから離れて考えてよいので、やりたいことを絵に描くというお題です。自由すぎて逆に手が動きません。

 合宿のサポートスタッフの方々からアドバイスをもらいながら、改めて自分の原点を見直すと、糸島には農家から工房、飲食店などさまざまな事業者がいて、ゆるくつながっていることを思い出しました。自分もそのネットワークに参加させてもらえていることが自分の価値だと感じました。また、空き家も各集落に点在しています。これらの資源を活かして、糸島の各地に工房や農業などで起業や創業に憧れる人たちが集まる「糸島まるごと宿」のようなものがつくれないかと思いました。

 この合宿は、ゲストハウスの開業を目的としていますが、地域づくりを考える合宿でもありました。自ら地域で事業を興すために必要な視点や考え方をいくつも学ばせてもらったと思います。一緒に参加した仲間たちが「本当に自分はやりたいのか?」と自問自答する場面になんども遭遇しました。自分自身と向き合う時間と場所を提供してもらえる合宿でもありました。

 また、仲間にも恵まれました。全員が飲み会に参加したのは17回で初めてだそうです。地域への愛情、事業への純粋な思いを持っており、ネットワークを大切にする人たちばかりでした。全国に思いのある仲間ができたことも新たな財産です。「糸島まるごと宿」の構想は、こうした仲間に応援してもらいながら、自分自身のライフワークとして少しずつ取り組んでいければと思います。

 

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17期のスタッフとメンバーと

旧土井良家住宅の空き家再生プロジェクトその3(活用編)

地域づくり 空家 糸島

 昨年から糸島の岐志浜集落で、古民家の空き家再生のお手伝いをしています。今回はその活用状況について報告します。繰り返しになりますが、きっかけは、岐志浜の海徳寺の松月さんからの相談でした。海徳寺では、以前から週1回ほど地域の人たちが集まっておしゃべりをする居場所づくりを行っていたのですが、お寺が集落から離れているため、高齢者の方々は家族の送迎が必要になります。自分の足でも気軽に通える身近な場所でできないだろうかという悩みがありました。
 土井良家住宅は、岐志浜集落のちょうど中央にある江戸末期の建物です。集落のどこからもアクセスがよく、高齢者の方々も徒歩でくることができます。ただ、居場所づくりを担っていた志摩会は、老人ホームや介護事業などを行っていて、建物には詳しくありません。空き家になった期間は半年と短いものの、建物自体が古く、どの程度の改修が必要なのかがわからず、不安を抱えていました。そのため、建物の管理を行う「旧土井良丈文家住宅管理運営会議(以下、土井良会)」という組織を別途立ち上げ、志摩会には使用料を払ってもらい、居場所づくりを行ってもらう形をとりました。

 

 

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土井良会の組織体制図

 

◯元気な高齢者が集まる「おこもりカフェ」

 志摩会には基本的に月2回ほど、「おこもりカフェ岐志浜」という認知症カフェを取り組んでもらっています。高齢者の方々が集まり、おしゃべりをするだけでなく、過去を語ることで認知機能の改善が期待できる回想法や、九州大学落研による落語会などの催しも行っています。地元から毎回10~20人の参加があるようです。参加者の中に、志摩会の施設を利用されているご家族もおり、スタッフと顔見知りなので、最初から和やかな雰囲気でした。認知症に対する不安や悩みなども気軽に相談できることから、予防だけでなく家族の不安解消にも一役買っているようです。

 志摩会の古賀さんに悩みなどはないですかと伺うと、「参加者もお茶をついでくれるなどのお世話をしてくれるので、スタッフとボランティアと参加者の境目がわからなくなります」と笑っていました。それほど元気な高齢者が多いようです。
 おこもりカフェは11月にちょうど1周年を迎え、記念コンサートも盛大に行われました。地域で定期的に人が集まれる環境をつくることができてよかったと思います。

 

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回想法では、昔の道具をきっかけに当時の生活を語ってもらいました

 

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1周年コンサートの演奏会の様子

 

◯建物の維持管理はトラブル続き

 建物を管理する土井良会は、所有者の兄弟にあたる田中さんに代表を務めてもらい、海徳寺の松月さんと私の3人で運営しています。田中さんは所有者との連絡調整、松月さんは集落との連絡調整、私は都市計画などの行政手続きや会計のお手伝いをしていて、月1回程度集まりながら、改修のことや管理の相談を行っています。おこもりカフェの参加者には、足腰が弱い方もいることから、玄関の段差解消やトイレのバリアフリー化なども行いました。冬場は電気容量が足りなかったり、お風呂場で雨漏りが発生したり、地震の影響で壁が崩れるなど、いろいろなことが起こりましたが、志摩会の協力もあり、なんとか1年間管理することができました。

 

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改修によって土間をフラットに

 

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トイレも引き戸と手すりで高齢者が使いやすく

 

◯地域との交流活動

 土井良会の会議には、たまに岐志浜行政区長や役員、民生委員などにも参加をいただき、「ムリのない範囲」で地域の交流活動を行っています。昔集落の人たちが気軽に集まっていた寄り合いを再現しようと「お祇園さん」や「七夕まつり」などを企画しています。
 土井良家住宅は、狭い通りに面しているので、外から中の様子がよく見えます。祇園祭りの際、通りを歩いている人に「おあがりなさいよ」と声をかけると、皆さん気軽に入ってきます。都市部と違って田舎では近所に知りあいが多く、1人でも知っている人がいると、数珠つなぎに人が増えていきます。他人の家にあがることに抵抗も少ないようです。年配の方々とも「誰々の子ども」というと顔が思い浮かぶのか、昔話に花が咲いていました。ただ、その一方で、世代を超えて人が集まる機会は減っているのかもしれないと思いました。
 七夕まつりでは、朝露を集めて刷った墨で障子紙を使った短冊をつくったりしました。この時期に取った竹は腐りにくく、短冊を飾ったあとは物干し竿に使っていたことなど、作業をしていると昔のことをいろいろと思い出すようです。竹の水鉄砲をつくり、大人も童心に帰って一緒に遊んだり、ソーメン流しを楽しんだりもしました。帰省で都市部にいる子どもたちも来ていましたが、集落の子たちと一緒になって遊んでいました。こうした交流はほそぼそでも続けていければと思っています。

 

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みんなで書いた七夕の短冊かざり

 

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ソーメン流しは子どもたちに大人気でした

 

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大人も一緒に水鉄砲ではしゃいでいました。


◯地域づくりは焦らず、地域との関係づくりから

 土井良家住宅は志摩会に利用してもらっていますが、それ以外の収入は乏しく、年間を通じて運営できる経費を稼ぐことはできていません。運営費の半分は補助金頼りです。近くの岐志漁港ではかき小屋で人が集まるため、宿泊ニーズはあると思うのですが、集会所に用途変更しており、ゲストハウス等に使うことは難しい状況です。ただ、周囲には空き家が多く、十分に住めそうな建物もあります。そうした住宅はまったく市場や空き家バンクにも出ていません。荷物や仏壇などの問題もありますが、所有者や地域の方々との信頼関係がないとなかなか貸してもらえないのではないかと思います。
 土井良家住宅の取り組みを通じて、そうした空き家の所有者や関係者とのつながりをつくり、こちらで片付けや最低限の改修を行うことで貸してもらうことができないかと考えています。それらの住宅をゲストハウスとして活用することで収益を生み、土井良家住宅の運営費を捻出する状況を作っていけないかと思っています。まだまだ、課題は多いですが、焦らずに長い目で取り組んでいきたいと思います。 

福吉産業まつりに体験農園ブースを出店

地域づくり 農園 糸島

「福吉産業まつりに参加しませんか?」

 体験農園を一緒に手伝っている井口さんからこの言葉を聞いたとき、最初は地元の祭りに遊びに来ませんか、という意味だと思っていました。その後、よく聞くと体験農園として1ブースを借りて、余った農作物を使って加工品などを販売しませんかという話。祭りまで時間がない上、仕事のスケジュールも厳しかったので、正直無理なのではないかと思っていました。

 しかし、畑の参加者の方々がクッキーやハリネズミのスイートポテトなどを準備していただき、井口さんもさつまいもオレを準備するなど、それぞれができる範囲で協力しあうことで、なんとか出店に間に合いました。私も微力ながら体験農園のパネルとチラシを作成して、PRのお手伝いました。

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多くの人でにぎわう福吉産業まつり

 

 産業まつりは今回で17回目。福吉地区の行政区がそれぞれブースを出していています。内容はポン菓子をつくったり、豚汁を振る舞ったり、焼き鳥を焼いたり、採りたての野菜を販売したりとさまざまです。祭りの収益が区の活動資金になるそうで、みなさんの売り込みも真剣です。よく見ると行政区以外にも飲食店や企業のブースもあります。中でもトラックに石窯を積んだピザ店は見た目にもインパクトがありました。私たちのような体験農園もブースを出させてもらえ、隣では家具屋がまな板の販売を行うなど、実に出店者は多様でした。

 福吉の海の幸、山の幸の両方が一同に集まるということで、開始時間よりもずいぶん早くからお客さんが来ていました。地元からの参加者が多いようで、お客さんとスタッフの歓談がいたるところで見られます。お互いのブースの商品を買い合うなど、地域住民の交流にも一役かっているようです。野菜づくりの指導していただいている加茂さんは、マイクを握り、司会進行をしながら、議員さんたちの視察対応まで、ホスト役として動き回っていました。改めて地域のリーダーなのだと認識させられました。

 

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人気のあったハリネズミのスイートポテト

 

 地元の子どもたちも多く、自分たちで栽培したお米の販売を行う子たちもいました。良い取り組みだと思ったので、早速、自分の子どもたちにもクッキーの販売をさせてみました。最初は声も小さく消極的だったのですが、1個買ってくれる人が現れると、自信がついたのか次第に声も大きくなり、自ら看板もぶら下げて、次々に声をかけてまわります。最終的には20個近くも販売してくれました。子どもたちも貴重な体験ができ、なんだか一回り成長したようで、親としてもうれしい限りでした。今回は、さつまいもしか出せませんでしたが、来年はもう少し準備をして、出品のバリエーションを増やせたらいいなと思います。

 

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子どもたちの売り子体験。このときはまだ消極的でした

さるこいフェスタで大木町をさるく

地域づくり

 大木町のさるこいフェスタに家族で参加しました。「さるく」とは昔の方言で「ぶらぶら歩く」という意味です。お彼岸にお宮にお参りに来た方に、お菓子や料理を振る舞っていた「おこぼ(お弘法)さんまいり」をイメージしたイベントだそうです。全長8kmのコースを参加者が自分のペースで自由にさるき、集落ごとにおもてなしを受ける内容になっています。

 

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 さるこいフェスタのルートマップ

 

 私たちがスタート地点についたのは10時半ごろ。10時に一斉スタートだったようで、すでに会場には誰もいませんでした。慌てて受付をした後、スタッフの車で最後尾まで送ってもらいました。車中、たまたま一緒だった筑後市の女性は、大木町生まれだそうで、「ここは昔、料亭だったのよ」などと教えてくれました。大木町のことをまったく知らないので、生活感のある話はとてもありがたかったです。

 最初についた絵下古賀の集落では、お団子と漬物のおもてなしがありました。ゆっくりしていきなさいと言われ、言葉通りにくつろいでいたのですが、最後尾の私たちが別れを告げると、後ろですぐに撤収作業が始まりました。なんだが待たせてしまったようで申し訳ない気分になりました。

 行程の途中には、掘割に飾り物があったり、ガードレールには地元の子どもたちの絵が飾られたり、いろんなもてなしがあります。地元の歴史を書いた紙を配ったり、コマまわしなどの昔遊びの体験コーナーを設けている集落もあります。それぞれの集落が工夫を凝らしておもてなしをしていて趣がありました。大木町にはキノコの工場が多く、風向きによってはキノコの独特な匂いが漂ったり、い草の工場や収穫を終えたばかりのアスパラハウスが広がるなど、市街地にクリークが広がる柳川とはまた違った風景が見られました。

 

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絵下古賀のおもてなし。獅子舞で頭を咬むと無病息災になるのだとか

 

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堀割には川祭り飾りも

 

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い草の加工所もありました

 

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クリークの風景がいたるところで見られます

 

 さるこいのコースは平坦な地形ですし、堀の景色の変化もあり、子どもたちも飽きずによく歩いてくれました。ただクリーク沿いのケイトウが見どころの一つでもあったのですが、スタート地点から5kmぐらい離れており、子どもたちの疲れがピークになるポイントでもありました。座り込んで動けなくなった子どもたちがアチコチにいて、それをリアカー部隊が救いながら進んでいきます。子どもたちは、リアカーが楽しかったかはしゃぐ元気が回復していました。親としてはだっこせずに済み、ほっとする一方、リアカーに合わせて移動するため、ケイトウをゆっくり見られないのは残念でもありました。

 今回は初めての参加で、最後尾で焦りながらの「さるく」でしたが、集落の様子がよくわかりました。欲をいえば、お宮などの地域のシンボルなどを紹介してもらいたかったです。それでも地域自慢を外に発信でき、交流できる良い取り組みだと思いました。参加者は地元や筑後市などの近隣の方々が多いようでしたが、地域に愛される取り組みとして続けてもらいたいです。次回は寄り道もしながら、意外な発見や出会いを楽しみたいと思います。

 

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ケイトウとリアカーに乗る子どもたち(奥で子どもたちが座り込んでいます)

現代版山守の仕組みを構築して里山を守りたい-糸島林研クラブが目指す取り組み-

地域づくり 糸島

 「林研」というのは林業研究グループの略で、今から60年くらい前に林業の技術開発や経営研修、交流などを行うために設立された全国組織で、山主などの林業の後継者が参加要件になっているところも多いそうです。

 私が糸島林研代表の吉村正春さんに初めてお会いしたのは、「林業塾」というチェーンソーの使い方や伐採方法を教える一般向けの林業体験の場だったので、林研とはNPOのような組織かとてっきり勘違いしていました。林研も現在は2つの流れが生じており、宮崎県や鹿児島県などの林業が盛んなところでは昔ながらの林研が続いており、都市部に近いところでは、Iターンを受け入れたり、一般の方々との交流に力を入れるところが増えているそうです。糸島林研は後者で、都市との交流などに力を入れています。今回は、まったく林業を知らない人も多かったことから、現在の福岡県や糸島市の森林の状況を踏まえながら、糸島林研の取り組みを紹介していただきました。

 

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お話していただいた糸島林研代表の吉村正春さん

◯主伐時期を迎える森林

 森林は「齢級」といって5年単位の尺度がある。福岡県の森林面積の状況をみると、もっとも多いのは11齢級で50年以上経過した森林が中心となっている。材木として切る「主伐」の適齢期を迎えているのだが、主伐が進んでいるわけではない。
 主伐を行うと森林法で植林が義務付けられている。しかし林業というのは、最初の5年間が下草刈りなどの手間やコストがかかるため、植林をしなくて済む間伐を続けているのが現状である。
 主伐を行わないと病気などで枯れる可能性があるため、福岡県も主伐を行うよう補助金などの支援も行っているが、なかなか増えていない。そのため、低い齢級の木がほとんどない状況になっている。

福岡県のスギ・ヒノキ人工林の齢級別面積

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資料:福岡県地域森林計画書(H27)

 

◯木を切っても出す人がいない糸島

 糸島市は福岡県内で7番目の森林面積を有している。しかし、出荷はほとんど行えておらず、わずかに出荷する材木も半分以上が間伐材という状況である。
 その原因として、これまで糸島には原木市場がなかったことがある。福岡県内にはうきは、八女、豊前にそれぞれ原木市場があるが、糸島市から遠いため、出そうにも経費が合わない。むしろ伊万里の原木市場が近いため、そちらに出荷してきた経緯がある。4年前にようやく糸島市伊万里木材市場が組んで「伊都山燦(いとさんさん)」という原木市場ができ、出荷できる状況になった。
 糸島市では荒廃林整備で間伐はかなり行なわれている。しかし、50年を過ぎた木を切っても、林道などのインフラ整備が遅れており、木の搬出技術やノウハウがないことから、木を切っても材木として出せず、切り捨てざるをえない状況である。
 伊都山燦では、1トンあたり3500円での現金買い取りに加え、2000円の商品券をつけて、出荷の動機付けを行っているが上記のような状況もあり、なかなか増えていない。

福岡県内市町村の森林面積ベストテン

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◯糸島林研の取り組み

 近年、都市型の林研では森林教育に力を入れている。糸島林研も森林ボランティアを受け入れたり、地元の子どもたちの森林体験をやっている。
 具体的には、木の駅プロジェクトとして「森の健康診断」、「林業塾」などを行っている。森の健康診断は、一般の人を人工林に連れていき、森の健全度を調べるという取り組みである。本来は愛知県矢作川流域で台風の被害が大きいので原因を調べようと始まった取り組みだが、糸島の場合は、“森林を知る”という意味合いが強い。

(森の健康診断体験記事はこちらhttp://hmasa70.hatenablog.com/entry/2016/10/07/133037
 林業塾では、防護服を着てもらい、安全面に最大限配慮しながら木の切り方、林内作業車の使い方などを指導する。切った木は伊都山燦に出荷するところまで体験してもらっている。また他の地域に出向いてチェンソー講習などを行ったりもしている。
 さらに次のステップとして、糸島市と協定を結び、市有林での間伐を行っている。これは講習や研修ではなく、実際に作業を行ってもらっている。林業塾では、チェンソーは使えるようになるが、木は様々な形状があり倒す技術は別に必要になる。その技術を積むための実践の場を提供している。
 糸島林研クラブは、森林組合の作業班として、間伐を請け負ってきたこともあり、伐採の技術を持っている。最近では伊万里木材からも仕事を請け負っている。
 伊都山燦ができたことで出荷も可能になり、兼業であれば山仕事も事業として成り立つのではないか、地元のことは地元でやりたいという思いから、「林研ワークス」という株式会社も設立している。

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糸島林研クラブの取り組み

 

◯所有の細分化が進む里山

 森林所有者の現状をみると、林家というのは山を1ha以上所有している人が調査対象だが、福岡県の場合3ha未満の戸数が6割を超えている。糸島市の場合は、50ha以上の山を持っている人は数人しかおらず、零細になっている。
 林業では森林の所有管理状況を「林班」という単位で把握しているが、糸島市の集落付近の林班をみてもらうと、1区画が0.03haなど非常に細かい。集落附近の里山といわれる部分で所有の細分化が生じている。共有林などの入会地を処分する際、個人に分けたため、非常に細かい土地になっている。現在は所有者が孫の代になっているため、権利者が非常に増えていて全員の同意が取れないため、土地をまったく動かせない状況である。このような土地で竹林の侵食やイノシシなどの獣害もひどく、非常に悩ましい問題になっている。
 まだ糸島市の場合は国土調査が実施されているため、林班と土地の所有区分がほぼ一致するが、他の地域では境界がはっきりしていないため、より問題が深い。

 

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所有が細分化された林班の様子

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上の林班図と同じ位置の航空写真。集落の裏の里山が細分化している(Googleより)

 

◯現代版山守制度を構築したい

 70代の森林の所有者で植林をした世代は伐採したいと思っている人は多い。しかし、身体が動かず実際には実施できない。後継者はすでに山がどこにあるかも知らない状況になっている。
 一方で、都市部の人で伐採をやってみたいという人はいる。そこの橋渡しをやるのが現代版山守だと思っている。山守制度というのは、都市部の大金持ちが所有する山の管理を地元の林業家に任せる制度だったようである。
 現代版山守制度では、地元で山のことがわかる人間が所有者に代わって、効率重視ではなく長期的な取り組み、地域の結びつきを意識しながら、森の管理を行えないかと思っている。森林組合も広域合併を繰り返したことで、集落の立場に立って考えることが難しくなっている。長期的な視点に立って、地域と関わる仕組みができないかと思う。
 私たちは森林のことを「山」というが、最近の人は「森」という。見方や感覚も変わっている。自然としての山、経営だけではなく山をみている。これからはそうした視点が大事になる。ただ、林業専業では難しいので、副業、兼業で収入になる取り組みを構築したい。体験型ツーリズムのような取り組みも欠かせない。そのためには、もっと多様な人材が関わってほしい。静岡県や長野県では多様な業界からの参加があり、発想が大分違ってきている。林業だけを考えると、出口が見えずに息が詰まってしまうが、農業など他産業との組み合わせを考え、安定的な収入が得られる方法を考えていきたいと思っている。

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現代版山守のイメージ図

 

◯実証研究の実施

 今回、公益財団法人「水源の森基金」から、現代版山守の制度構築に向けた実証研究について、研究助成をいただき、林研クラブと一緒に調査させてもらうことになりました。今回の話のように、里山の所有者が細分化しているなど、森林を取り巻く環境は非常に厳しいものがありますが、実際に現地で里山の管理状況や竹林の侵食状況を調べたり、1つ1つの林班について、今後の管理意向などを地元の方々に聞き取り調査を行いながら、「現代版山守」のような形で、山の管理を任せてもらえうことが可能なのか、調べていきたいと思っています。調査結果についてもまた報告したいと思います。

「森の健康診断」に参加しました

地域づくり 糸島

「森の健康診断」は人工林に入り、木の幹の太さを測ったり、植生を調べたりすることで、森林の状況を一般の人々にも知ってもらおうという主旨で開催されています。愛知県で始められた取り組みで、糸島でも4回目を迎えます。チェンソーなどを使った危険を伴う作業はなく、子どもたちも体験できると聞き、6歳の息子を連れて参加してきました。

 朝9時、集合場所である糸島市役所前には、すでに50人ぐらいの方々が集っていました。作業着の人やヘルメットを持参している人も多く、なんだかプロ集団のようです。知り合いが数人いたので、なんとか輪に入れましたが一般の人は少なそうです。話を聞いてみると、半数近くの方がスタッフで山に入り慣れた方々で、一般の参加者は20人くらい、子どもの参加は息子1人でした。

◯「木は神様です」という住職

 今回は4つのグループに分かれて山に入ります。みんな同じ山に入るのかと思いきや糸島市の広範囲に散らばって診断を行います。私たちのグループは雷山の担当でした。グループのメンバーはスタッフの他、退職後、趣味で山登りをされている人や東京から移住して農業を営まれている人などがいました。植物に詳しい女性のインストラクターもいて、息子の相手をしてくれました。

 私たちが入る森は、雷山千如寺が管理されているところで、まずはお寺にお参りに行きました。境内に入ると住職さんにお迎えいただき、「木はそのまま神様ですから、とても大事なんですよ」とお寺と森のつながりについて、丁寧に説明をしてくれました。

 千如寺の雷山観音はもともと雷山の中腹にある雷(いかづち)神社の境内にあったそうです。明治時代の神仏分離の影響で、千如寺に移されたのですが、雷神社には神官がいなかったこともあり、廃仏毀釈されずに済んだそうです。仏様はケヤキの木で作られていることから、「昔は雷山によほど大きなケヤキがあったんでしょうね」とおっしゃっていました。千如寺は真言宗のお寺なのですが、住職さんの「木は神様」という言葉を聞き、ここでは森も神様も仏様も一体なんだなと感じました。

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住職さんのお寺と森の説明を聞くグループのメンバーたち

◯印象とデータが異なる森林環境

 午前中は山に入ることなくお寺の話ばかりだったので、子どもは少し退屈ぎみでしたが、午後からようやく森の健康診断です。調査地点はお寺のちょうど真裏の森でした。昔はここにも集落があったそうですが、現在は1軒を残すのみだそうです。全面杉林で、木の間隔がゆったりしています。数年前に一度間伐を行ったそうで、丸太も多く転がっていました。外はまだ残暑が厳しいのに、山の中は小川が流れていて、涼しく感じました。ただ、鳥や虫などの声はほとんど聞こえませんでした。

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森の中から空を眺めた様子。日差しはほとんど感じませんでした

 

 診断のマニュアルに添って、斜面などの影響の少ない模範的な中心木を決めます。その木を中心に回りの樹木の数や胸高の直径、植生などを調べてまわります。植物はシダしか生えていないという印象でしたが、みんなで葉っぱを集めインストラクターに分類してもらうと20種類もありました。植物の分類は素人だけではかなり難しいと思いました。一方、息子は勝手に昆虫採集を行い、バッタやキリギリスの仲間など3〜4種類見つけていて、針葉樹林でも意外と昆虫がいることを教えてくれました。

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葉っぱの形状から植物の種類を整理しますが、シロウトには違いがわからない……

 

 分度器やストローを使った簡単な道具で木の高さも測り、この樹高と木々の密度から森の状態を判定すると「超過密」という結果に。木の間隔にゆとりを感じたのですが、樹高が高いため、さらに間伐が必要な状況なのだそうです。印象とデータではかなり差が出るものだと勉強になりました。

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息子のタケルも木の高さを図るお手伝いをしました

 

 住職さんは、「超過密」という判定に驚かれていましたが、「いつか森の木でお寺の改修ができるよう、手入れを行っていかないといけないですね」といわれていました。その様子を伺いながら、この診断は一般の参加者よりも山主にこそ参加する意義がある取り組みだと感じました。

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最後に、グループのリーダーと山主さんへの感謝の印を残して記念撮影