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地域づくりブログ

地域を愛し、誇りを持って働き、暮らし、輝いている地域人(ちいきびと)の物語を紡ぎたい。

有明海の新名所!?クモデ網漁を体験する

地域づくり

 「クモデ網漁は有明海の夕日も見られて最高ですよ」と九州芸文館の安西さんの話を聞いたのは半年ほど前のこと。携帯電話の写真を見せてもらいながら、「クモデ」とは網が蜘蛛の巣みたいな形なのだと理解しました。有明海では昔から行われてきた伝統的な漁でスズキやウナギが上がることもあるとか。これから着地型観光の目玉になりそうだという話を聞いて、ぜひ体験しようと筑後市の方々と一緒に行ってきました。

◯柳川の観光振興のために復元

 クモデ網漁を一般の人が漁業体験できるようになったのは実は平成27年と最近です。柳川市観光課の中島さんは、「最初はムツゴロウを売りだそうと始めたんですよ」と教えてくれました。

 柳川市観光の滞在時間を伸ばそうと平成26年にルアーでムツゴロウを釣る「ムツかけ」体験を始めました。しかし、干潮時にしか体験できなかったため、目をつけたのが「クモデ網」だったそうです。クモデ網漁であれば干潮問わず、いつでも体験できます。ただ、実際漁に使える網をつくるため、漁協のクモデ部会などの協力を経ながら、口伝で伝わっていたクモデ網を再現したのだそうです。

 ムツかけは慣れるまで少し技術がいるらしく、今はクモデ網体験の利用が増えているのだとか。網も7基ほど設置し、現在は団体客なども受け入れられるようにインストラクターの育成に力を入れているそうです。

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有明海に面して並ぶクモデ網

◯網を引くだけのシンプルな漁

 有明海の海岸に広がる巨大な堤防に登ると、数基のクモデ網が見えました。さっそく、そのうちの1基に足を運ぶと、インストラクターの森さんが待機してくれていました。櫓(やぐら)は、口伝通り、軽量の木材で組み立てられた質素なもの。大人数で乗ったら重量が大丈夫かなと心配してしまいます。

 釣り方は、縄を緩めて静かに網を下ろし、網の上を魚が通っていると想像し、自分のタイミングで網を引き上げるだけです。縄に足を取られて海に落ちないように気をつければ、子どもでもできます。実際に夏休みは親子連れが多いのだそうです。

 ものは試しとさっそく最初の挑戦者が引き上げると、見事に2匹のコハダが入っていました。網から魚をタモですくうにはコツがいるらしく、森さんが手伝ってくれます。さて私の番です。網を降ろして間をおかずに引き上げたためか、何も入っていません。残念と思いながから網を海に戻そうとすると、「待ってください。非常に珍しい魚が入っていますよ」と森さんが教えてくれました。よく目を凝らすと、シロウオのような透明な魚がはねています。地元ではトノサンウオと言われているそうです。頭を取ってそのまま食べられると聞き、さっそくその場で食べました。特に味はなく、コリっとした食感を楽しむようです。

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シロウオに似たトンサンウオ

◯インストラクターはデザイナー

 網を引くだけの単純な漁ですが、何が捕れるかわからない「運試し」の感覚があり、大物を夢見て何度も網を引きたくなります。ただ、大人の男性でもかなりの力がいるため、2〜3回続けると腕が疲れてきます。漁は1時間単位の料金なので4〜5人で交代しながら釣るのがよさそうです。インストラクターは女性が網を引くときのサポートや魚の種類や料理法を教えてくれたり、コノシロを〆てくれたりといろいろとお世話をしてくれます。森さんの職業を伺うと、本職はデザイナーでパンフレットなどを作成していると聞き、参加者のみんなが本業とのギャップに驚いていました。柳川の川下りの船頭や地域づくりの活動も熱心にされているそうです。また別の機会に、話を聞いてみたい方でした。

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インストラクターをしていただいた森さん

◯クモデ網のファンづくり

 取れた魚は、地元の寿司屋に持ち込み、マエビとコノシロは刺し身、コハダは唐揚げにしてもらいました。柳川の地酒「国の寿」を飲みながら、有明海の幸を楽しむという、最後まで柳川の魅力を堪能しました。

 今回の参加者の感想を聞いていると、クモデ網は柳川の川下りやうなぎにも負けないくらい魅力的だと口々にいっていました。私もまた子どもを連れて来たいと思いました。一方で単純な漁のためか、知らない人に魅力を伝えるのが難しかったり、魚が多い潮目の時間に行程を左右されるという問題もわかりました。でも一度体験するとまたやりたくなる不思議な魅力があります。まずは自分がクモデ網体験の応援団となって、口コミでファンが増えればと思います。また近々体験しにいこうと思っているので興味を持たれた方はご一報ください。

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刺し身でいただいたマエビとコノシロ