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地域づくりブログ

地域を愛し、誇りを持って働き、暮らし、輝いている地域人(ちいきびと)の物語を紡ぎたい。

「森の健康診断」に参加しました

地域づくり 糸島

「森の健康診断」は人工林に入り、木の幹の太さを測ったり、植生を調べたりすることで、森林の状況を一般の人々にも知ってもらおうという主旨で開催されています。愛知県で始められた取り組みで、糸島でも4回目を迎えます。チェンソーなどを使った危険を伴う作業はなく、子どもたちも体験できると聞き、6歳の息子を連れて参加してきました。

 朝9時、集合場所である糸島市役所前には、すでに50人ぐらいの方々が集っていました。作業着の人やヘルメットを持参している人も多く、なんだかプロ集団のようです。知り合いが数人いたので、なんとか輪に入れましたが一般の人は少なそうです。話を聞いてみると、半数近くの方がスタッフで山に入り慣れた方々で、一般の参加者は20人くらい、子どもの参加は息子1人でした。

◯「木は神様です」という住職

 今回は4つのグループに分かれて山に入ります。みんな同じ山に入るのかと思いきや糸島市の広範囲に散らばって診断を行います。私たちのグループは雷山の担当でした。グループのメンバーはスタッフの他、退職後、趣味で山登りをされている人や東京から移住して農業を営まれている人などがいました。植物に詳しい女性のインストラクターもいて、息子の相手をしてくれました。

 私たちが入る森は、雷山千如寺が管理されているところで、まずはお寺にお参りに行きました。境内に入ると住職さんにお迎えいただき、「木はそのまま神様ですから、とても大事なんですよ」とお寺と森のつながりについて、丁寧に説明をしてくれました。

 千如寺の雷山観音はもともと雷山の中腹にある雷(いかづち)神社の境内にあったそうです。明治時代の神仏分離の影響で、千如寺に移されたのですが、雷神社には神官がいなかったこともあり、廃仏毀釈されずに済んだそうです。仏様はケヤキの木で作られていることから、「昔は雷山によほど大きなケヤキがあったんでしょうね」とおっしゃっていました。千如寺は真言宗のお寺なのですが、住職さんの「木は神様」という言葉を聞き、ここでは森も神様も仏様も一体なんだなと感じました。

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住職さんのお寺と森の説明を聞くグループのメンバーたち

◯印象とデータが異なる森林環境

 午前中は山に入ることなくお寺の話ばかりだったので、子どもは少し退屈ぎみでしたが、午後からようやく森の健康診断です。調査地点はお寺のちょうど真裏の森でした。昔はここにも集落があったそうですが、現在は1軒を残すのみだそうです。全面杉林で、木の間隔がゆったりしています。数年前に一度間伐を行ったそうで、丸太も多く転がっていました。外はまだ残暑が厳しいのに、山の中は小川が流れていて、涼しく感じました。ただ、鳥や虫などの声はほとんど聞こえませんでした。

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森の中から空を眺めた様子。日差しはほとんど感じませんでした

 

 診断のマニュアルに添って、斜面などの影響の少ない模範的な中心木を決めます。その木を中心に回りの樹木の数や胸高の直径、植生などを調べてまわります。植物はシダしか生えていないという印象でしたが、みんなで葉っぱを集めインストラクターに分類してもらうと20種類もありました。植物の分類は素人だけではかなり難しいと思いました。一方、息子は勝手に昆虫採集を行い、バッタやキリギリスの仲間など3〜4種類見つけていて、針葉樹林でも意外と昆虫がいることを教えてくれました。

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葉っぱの形状から植物の種類を整理しますが、シロウトには違いがわからない……

 

 分度器やストローを使った簡単な道具で木の高さも測り、この樹高と木々の密度から森の状態を判定すると「超過密」という結果に。木の間隔にゆとりを感じたのですが、樹高が高いため、さらに間伐が必要な状況なのだそうです。印象とデータではかなり差が出るものだと勉強になりました。

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息子のタケルも木の高さを図るお手伝いをしました

 

 住職さんは、「超過密」という判定に驚かれていましたが、「いつか森の木でお寺の改修ができるよう、手入れを行っていかないといけないですね」といわれていました。その様子を伺いながら、この診断は一般の参加者よりも山主にこそ参加する意義がある取り組みだと感じました。

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最後に、グループのリーダーと山主さんへの感謝の印を残して記念撮影