地域づくりブログ

まちや集落になじもうとモガクおっさんが地域にナリワイを生もうと格闘している日々のキロク

都心居住で単身世帯が増える地域

 中洲界隈で近年マンションが目立つので、古門戸町須崎町での立地状況を調べてみました。1982年と比べるとマンションが非常に増えていることがわかります。そのほとんどがワンルームマンションです。歩いて天神に行ける立地の良さと地価の安さから、車を持たない学生・サラリーマンやお年寄りなどの単身者の需要にマッチしたようです。ただ、地元の人に話を聞くと、マンション住民と地域との関わりはほとんどないとのこと。一方、地元は山笠などの祭りを通じて“立ち話が多い”というほどコミュニティがしっかりしています。地元を離れても、山笠の役員などの関わりを持つ人も多いそうです。地域内に住んでいても地元と関わりがなく、地域外に住んでいても地元と関わっている。須崎町古門戸町も人口は増えていますが、ただ人口が増えればいいものなのか?地域とは何か?と改めて考えさせられます。

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古門戸町須崎町ではワンルームマンションが増加

 

 このエリアで開発が盛んになりだした1995年と2015年の人口を較べてみると、古門戸町須崎町も人口はかなり増えています。高齢化率は須崎町で若干上がっているものの、20%を切っているので、高齢化はほとんど進んでいない状況です。
驚いたのは、1世帯あたりの人数がどちらも1人台前半であり、単身世帯が非常に多くなっていることです。ワンルームマンションが多いことが統計からも伺えます。

 

 古門戸町須崎町の人口比較(国勢調査より)

町名 人口 65歳以上
人口
高齢化率 世帯数 1世帯人数
古門戸町 1995 597 137 22.9% 287 2.08
2015 1,161 215 18.5% 835 1.39
須崎町 1995 870 150 17.2% 475 1.83
2015 1,148 228 19.9% 925 1.24

 
 このエリアは埋蔵文化財包蔵地となっており、1~2年ほどの調査期間が必要となり、調査も事業者負担となるため、ファミリー向けのマンションは事業性が厳しいそうです。数少ないファミリー向けマンションには、地元の居住者が多く、今でも入居待ちをしている人がいるくらいなのだそうです。山笠に参加したのが縁で、ここに移住したい、子育てをしたいという声もあるそうですが、物件がほとんどないのが実情だそうです。
 一方で、都市部ゆえに住宅を相続する際の高額な相続税が払えず、土地や建物を手放さなければならない状況も生じています。ファミリーマンションを建ててほしいという地元の思いとは裏腹に、事業者がワンルームマンションの建設を申請してきても、法令を遵守していれば、断るすべが地域には存在しません。
民間ベースの経済性・効率性一辺倒の開発によって、顔の見えない隣人が増えていくことが果たして地域の活性化につながるのだろうかと疑問に思います。地域とのつきあいを生むような丁寧なまちづくりを都市計画や土地利用の制度にも組み込めないものだろうかという思いを強くしました。